宅地建物取引士の資格の概要と特徴
宅地建物取引士になると、不動産会社での契約の時に重要事項を説明したり、書類に記名や押印をする業務を行うことができます。
宅地建物取引士になるためには、試験に合格して、宅地建物取引士証の交付を都道府県知事から受けることが必要となります。
この宅地建物取引士になるための試験は、「宅地建物取引士資格試験」と呼ばれています。
試験では、宅建業法や法令上の制限、権利関係、税金などに関する問題が出されます。
全部で50問で、四肢択一、マークシート形式です。
宅地建物取引業の仕事をしている方は、登録講習を受けると5問が免除になり、免除された分は正しい回答として加点されます。
宅地建物取引士は国家資格で、合格率は約15%と低くなっていますが、受験資格はないので誰でも受験できます。
試験後、合格した場合は宅地建物取引士証の交付のための手続きをします。
実務経験が2年に満たない人は、登録前に実務講習が必要になるので気を付けましょう。
なお、宅地建物取引士は5年ごとに更新手続きが必要です。
宅地建物取引士の試験日程について
毎年1回、10月の第3日曜日に試験が行われます。
時間は13時から15時ですが、登録講習を受けた方は5問の免除があるので、13時10分から~15時となります。
宅地建物取引士の資格を取得するメリット
不動産会社で重要事項を説明したり、書類に記名、押印するのは、宅地建物取引士だけができる仕事です。
これに関しては独占業務なので、不動産取引では必ず必要とされる人材です。
ですから、不動産業界で働くのに大変有利な資格です。
事務所のスタッフの5人中1人が宅地建物取引士でなければならないので、大きな不動産会社なら、さらに仕事に就きやすくなります。
宅地建物取引士の資格を持っていると、手当が支給されたり、昇給や昇進で有利になることもあります。
また不動産業界でなく金融業界で働いている場合でも、宅地建物取引士としての知識があれば、住宅ローンなどで不動産の価値を評価するときに役に立ちます。
建設業界でも、宅建業法、法令上の制限などの知識が役に立ちます。
昇進の条件として、宅地建物取引士の資格取得が必要であるゼネコンもあります。
その他には、住宅を販売するハウスメーカーや不動産の分譲や仲介、賃貸に関係した業務をする不動産管理会社でも宅地建物取引士が必要です。
このように、不動産会社以外の職場で働くことが可能ですし、宅地建物取引士としての知識があると、異業種で働いているときでもメリットがあります。
資格を取ってからすぐに仕事に就けないとしても、宅地建物取引士として得た知識は、自分が不動産を購入したり、売ったりするときに役に立ちます。
賃貸物件でも、優良物件を見極めたり、退去時にありがちな問題を避けることができます。