社会保険労務士(社労士)とは
社会保険労務士(社労士)とは、社会保険と労働に関連する業務を行うスペシャリストで、国家試験に合格した人が従事できる国家資格者です。
社会保険労務士が大きくかかわるのは、1968年に制定された社会保険労務士法という法律です。
当時は労災保険や健康保険に加え、厚生年金や雇用保険などが複雑な仕組みとなっており、各業務をよりスムーズに遂行するための制度として制定されました。
社会保険労務士は、この制度に精通するスペシャリストとなります。
社会保険労務士の資格は、1969年に生まれました。
国家資格の中でも難易度はとても高く、合格率は毎年5%程度しかありません。
具体的な仕事内容は、健康保険や雇用保険、労災保険など各種保険への加入や脱退に関連する書類作成や手続き代行をはじめ、就業規則など労働社会保険諸法令に関する書類や帳簿の作成業務、また人事や労務に関してのコンサル業務などが含まれます。
労務管理士とは
労務管理士は、一般社団法人の日本人材育成協会と、同じく日本経営管理協会が共同で認定・運営する民間の資格です。
社内における人事に関する職務を取り扱うのが主な職務で、具体的には車内の人事制度を構築したり改善することです。
労務管理士は、労働基準法に精通するスペシャリストという位置づけとなります。
ちなみに、労務管理士は社会保険労務士の業務を遂行することはできません。
コンサル業務は行っても問題はないものの、手続きの代行や書類作成などの業務を行うと、社会保険労務士法への違反行為となってしまいます。
この点は、注意が必要でしょう。
社会保険労務士と労務管理士の違い
社会保険労務士と労務管理士には、いくつかの違いがあります。
1つ目の違いは、資格のステータスがことなるという点です。
社会保険労務士は国家資格なのに対して、労務管理士は民間資格です。
2つ目の違いは、社会保険労務士は法律によって定められている業務があり、これは資格を持っていない人は行えない独占業務に当たります。
そのため、労務管理士が社会保険労務士の業務を行うと違反行為となります。
しかし、社会保険労務士が労務管理士の業務を行うことを禁止する法律はありません。
3つ目の違いは、働き方です。
多くの社会保険労務士は独立して事務所を構えているのに対して、労務管理士は企業に所属して社内の労務案件を取り扱います。
今後、労務に関する職業に従事したいと考えている人は、社会保険労務士と労務管理士の違いを正確に理解した上でどちらが自身に適しているかを考えると良いでしょう。
労務管理士として働きながら、将来は社会保険労務士として独立したいと希望する人は多いため、まずは労務管理士を目指すのもアリかもしれません。