労務はどんな仕事?
労務の仕事は、従業員の労働に関する業務を幅広く取り扱います。
企業のバックオフィス業務としては重要な役割があり、労務の仕事を一言でいうなら、従業員にとって働きやすい職場環境を整え提示することを目的とします。
労務が担当する職務は、多岐にわたります。
例えば従業員の給料計算や勤怠管理に加えて、就職者や転職者に対しては入社や退社の手続き、それに伴う社会保険関連の手続きも全般に対応します。
さらには就業規則や福利厚生の作成や管理、また安全や衛生面における管理業務も、労務が持つ重大な職務です。
企業と労働者がトラブルを抱えた場合には、その対応にもあたります。
例えば残業代の未払いに関するトラブルや、不正な休日出勤や残業などに対しても、労務は労働者の側に立ってトラブル解消へ向けて尽力します。
労働紛争は全国で年々増えているという統計もあり、総合労働相談件数だけでも約130万件もあります。
こうしたトラブルの解決の仲裁に入って、就業規則に基づいて紛争解決に導くことも、労務に与えられた職務です。
労務の仕事を遂行する上では、労働者とコミュニケーションをとることが必要不可欠です。
そのために高いコミュニケーションが求められるほか、コミュニケーションのの中で得た情報やトラブルを適切に処理するスキルも必要です。
パソコンを使うこなせるスキルは必要不可欠ですし、細かい作業をする際にもミスをせずに遂行できる高い集中力なども適正と言えるでしょう。
労務と人事は何が違う?
労務と人事は、企業によっては一つの部署がどちらも担当することが少なくありません。
そのため、どちらも同じような職務ではないかと考える人は多いものです。
しかし、労務と人事とでは対応する業務の内容が全く異なるため、これから労務の業務をしたい人ならその違いを理解しておくことは大切です。
労務の仕事は、会社全体を対象とした業務を行います。
入社から退職まで、それぞれの従業員に関する労働条件に付いてかかわりを持つものの、企業活動をスムーズに行うための従業員サポートを行うのが特徴です。
一方の人事は、企業の資源となるヒトやモノ、カネ、そして情報の中でもヒトに焦点を当てた業務を行います。
具体的には、人材採用から人材育成、その他評価や処遇など、会社全体ではなく従業員個人に対してのサポートを行う点が大きな特徴です。
人事は会社がヒトという資源を最大限に活用するために機能する部署という位置づけで、従業員を適材適所へ配置したり、会社の利益となるようなサポートを行うことを主な業務としています。
労務と人事とは、対応する業務内容が異なります。
しかしどちらも従業員のサポートをしており、企業のバックボーンとしては必要不可欠な職種と言えるでしょう。